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京都の新緑を楽しむ
おすすめスポット9選

京都では美しい青もみじが見られるこの季節。新緑の爽やかさや美味しい空気は、京都の紅葉にも負けないくらいの魅力を放ちます。

今回は「町家インズ&ホテルズ」のスタッフ自身が大好きな、京都の“通”な楽しみ方や穴場を大公開。やっぱり外せないメジャーな観光地の独自の楽しみ方なども、新緑の美しい写真も交えながらご紹介。

美しい写真を見ながら空想の旅行気分を味わったり、次回行く京都旅の情報収集としても是非、ご活用ください!

京都好きなら、ちょっと通な京都観光

1. 宝泉院 (大原)

The ceiling of Hosen-in Temple, uses the former wooden floorboards of Fushimi Castle. It is known as a "bloody ceiling", as you can still see the bloody outlines of samurai who committed seppuku during the war. These floorboards are used in various temples to honor the spirit of the samurai.
Photo by MACHIYA INNS & HOTELS ©️

京都市の北東部に位置する大原。のどかな風景が広がる緑豊かな里山には、三千院などの古いお寺が点在します。

中でもおすすめが宝泉院。「額縁庭園」とも呼ばれる、方丈からの柱や鴨居を額縁に見立て、絵のように美しく映える庭・盤桓園(ばんかんえん)があります。「盤桓」とは「立ち去りがたい」という意味で、四季折々の景色が素晴らしいお庭です。「白い巨塔」などの著書でも知られる山崎豊子の小説「不毛地帯」の舞台になったお庭でもあります。小説に描かれた通り、夕方の情景も見事。

Photo by MACHIYA INNS & HOTELS ©️

地元スタッフのおすすめポイント

「宝泉院」はこじんまりした寺院ですが、見所がたくさん。京都市の天然記念物である見事な五葉松、血天井、そして是非、「理智不二(りちふに)」という二連式の水琴窟(日本庭園の装飾の一つ。水滴の音を反響させる仕掛け)の音色も聞いてください。両方の音が微妙に異なるので、どちらも聞くのをおすすめします。癒しの音色です。

住所 京都市左京区大原勝林院町187
営業時間 9時から14時30分受付終了(平日)9時から15時30分受付終了(土日祝)
交通アクセス 大原バス停より徒歩10分


2. 法然院 (哲学の道)

Photo by MACHIYA INNS & HOTELS ©️

銀閣寺から永観堂付近まで続く約1.5㎞の「哲学の道」。
世界に禅を知らしめた哲学者・西田幾多郎が散策したことからこの名前がつきました。春は桜、秋は紅葉と四季の景観が美しく、風情ある寺社が点在します。
そのうちのひとつ「法然院」。特に山門を入ったところに積まれた盛り砂「白砂壇(びゃくさだん)」にご注目ください。平たく積まれた白い砂壇に、季節によってさまざまな模様が施されます。

銀閣寺にも丘のような形の向月台(こうげつだい)と銀沙灘(ぎんしゃだん)と呼ばれる2つの盛り砂があります。向月台はかつてこの上にのぼって月を待ったとも、銀沙灘は月の光を反射する役目のものとも言われます。これらの砂には「白川砂」と呼ばれる京都特産の砂が使われています。

地元スタッフのおすすめポイント
哲学の道は桜や紅葉で有名ですが、5月下旬から6月、特に梅雨の時期に蛍をみることができます。特に蛍が多いのが、珍しい狛ネズミのある大豊神社の近く。
哲学の道は、地元民にとって蛍の鑑賞スポットとして有名です。夜間でも人や明かりもある程度ありますが、足元に気をつけて静かにお楽しみください。

住所 京都市左京区鹿ケ谷御所ノ段町30
営業時間 6時から16時
交通アクセス 南田町停より徒歩5分


3. 芬陀院 (東福寺塔頭)

As the temple met with 2 large fires in the past, famed landscape artist, Mirei Shigemori, rebuilt the garden that we see today in 1939.
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京都駅から一駅、紅葉と通天橋で有名な「東福寺」。
その塔頭のひとつ「芬陀院(ふんだいん)」は、室町時代の画師・雪舟が作庭した庭が残るため、別名を「雪舟寺」とも言います。庭はさまざまな歴史を経て、昭和の作庭家・重森三玲により復元されました。鶴亀の庭、茶室「図南亭(となんてい)」の丸窓からみる東庭、紅葉の押し葉が施された障子など美しい景色を味わえます。

There is also a smaller garden on the east side, that you can admire through the round tea ceremony room window.
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地元スタッフのおすすめポイント
芬陀院のお庭は、すべて建物の中から眺められるので、雨の日でもゆったりお楽しみいただけます。
雨に濡れた瑞々しい苔の様子がとても美しいです。

住所 京都市東山区本町15丁目803
営業時間 9時17時12月~2 9時16時
交通アクセス JR・京阪東福寺駅から徒歩約10


4. 光明院 (東福寺塔頭)

There are a total of 75 rocks in the zen rock garden at Komyo-in Temple!
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こちらも東福寺の塔頭、「光明院」。「波心庭(はしんてい)」と呼ばれる砂、苔の中に石を配した枯山水庭園を持ちます。春は桜とツツジ、夏は緑、秋は紅葉と、四季に応じた植物が彩りを添えるため別名「虹の苔寺」とも呼ばれます。

The outdoor corridor of the larger hall is made of a single wood plank - over 8m long!
Photo by MACHIYA INNS & HOTELS ©️
地元スタッフのおすすめポイント
光明院の庭園も、芬陀院と同じ重森三玲による作庭。
特に「波心庭」は、重森三玲の代表作で世界的にも有名な「東福寺本坊庭園(八相の庭)」と同時期に作庭されたもの。「波心庭」も氏の初期の傑作庭園のひとつと言われます。
和の中にどこかしらモダンな雰囲気のある昭和の名庭をめぐる旅はいかがでしょうか。

住所 京都市東山区本町15丁目809
営業時間 午前7時頃〜日没頃まで(季節により変動)
交通アクセス JR・京阪東福寺駅から徒歩約15



5. 等持院

足利将軍の菩提寺である「等持院」。禅宗の祖とされる「達磨大師(だるまさん)」の絵でも有名ですね。2つの池を中心に池泉回遊式庭園があり、特に東側の心字池(しんじいけ)の庭は風情たっぷりでおすすめです。
境内は四季折々の花が咲くため、年間を通して様々な風景をお楽しみいただけます。

地元スタッフのおすすめポイント
歴代の足利将軍と徳川家康の木像がならぶ霊光殿は、歴史の重みに圧倒されます。
お庭を眺めながらの抹茶とお菓子(500円)もおすすめですよ。

住所 京都市北区等持院北町63
営業時間 9時から16時受付終了 (12/30から1/1は9時から14時30分受付終了)
交通アクセス 等持院南町バス停より徒歩8分



6.無鄰菴

Photo by ©植彌加藤造園
南禅寺近くに佇む「無鄰菴」。明治大正時代の政治家・山縣有朋の別荘で、明治の作庭家7代目小川治兵衛によって作られた庭として有名です。 それまでの日本庭園といえば、石や木を島や鶴亀に見立てた象徴的なものが一般的でした。こちらの庭は里山の自然の景色をそのまま写したかのような当時としては画期的なスタイルで、近代日本庭園の傑作ともいわれています。
新緑の季節は、庭園の散策が特におすすめ。50種以上生える苔がふかふかと美しく、歩くごとに開けた芝生の野原や林の中など景色が変わり、目を楽しませてくれます。庭内には琵琶湖疏水 が引きこまれ、なだらかな斜面を流れる小川となっており、そのせせらぎの音も心地よく響いています。
母屋一階には、180度庭園にひらけたパノラマを楽しみながら、京都らしい季節のメニューを楽しめるカフェスペースも。また、京都の老舗造園会社が監修する日本庭園についての無料ガイドもおすすめです。

Photo by ©植彌加藤造園
地元スタッフのおすすめポイント
無鄰菴の洋館2階は、日露戦争開戦前に伊藤博文、山縣有朋など政治の重鎮が集まって「無鄰 菴会議」を行った場所。洋館でありながら、天井は日本建築の格天井、壁には華やかな障壁画 が描かれた和洋折衷の空間。豪華な室内で往時を偲ぶことができます。
Photo by ©植彌加藤造園
住所 京都市左京区南禅寺草川町31
営業時間 9時から17時30分受付終了(4月〜9月) 午前9時から16時30分受付終了(10月〜3月)
交通アクセス 京都市営地下鉄東西線蹴上駅から徒歩約7分

一度は訪れたい、マストな京都観光

7. 伏見稲荷大社

Photo by MACHIYA INNS & HOTELS ©️

全国にある「稲荷大社」の総本宮・伏見稲荷大社。幾重にも重なる朱い鳥居が神秘的でフォトジェニックな観光名所。外国人参詣者に大変人気で、近年は大混雑していましたが、現在は落ち着きを取り戻しています。

地元スタッフのおすすめポイント
24時間参拝が可能な伏見稲荷大社。混雑を避けてゆったりと参詣するのであれば早朝6時から9時までがおすすめです。京都駅から電車を使って5分ほどでアクセスできるので、夜行バスなどで早朝に京都駅に着いても参詣が可能です。また、本殿背後の稲荷山を散策する「お山めぐり」もおすすめですよ。所要時間は約2時間ほど。京都南部を一望できる絶景スポットなどもあります。

住所 京都市伏見区深草藪之内町68
営業時間 年中無休
交通アクセス JR稲荷駅からすぐ・京阪伏見稲荷駅から徒歩7分


8. 祇園

A side street just left to Hanamikoji Street in Gion.
Photo by MACHIYA INNS & HOTELS ©️

舞妓さんや美しい花街の風景で有名な「祇園」。「清水寺」とならんで京都の代表的な観光スポットです。
石畳の花見小路を中心に高級料亭が軒を連ねます。近年は元お茶屋の建物を利用したショップやカフェも増え、気軽に花街の雰囲気を味わうことができるようになりました。

観光地の多い東山エリアの中心に位置する祇園は、徒歩でいろいろな観光地にアクセスが可能。
二寧坂・産寧坂沿いに南に下がると清水寺方面へ、白川沿いに北に上がると「平安神宮」のある岡崎方面へ、東に進むと「鴨川」を渡って京都一の繁華街・四条河原町へと行くことができます。他の観光地へのアクセスの良さに加え、グルメ・観光・ショッピングすべてが楽しめる祇園。まさに京都観光では外せないスポットです。


地元スタッフのおすすめポイント

こちらも人の少ない早朝の散策がおすすめ。風情あふれる花街の風景を独り占めできますよ。

また、祇園の中心部では、観光客ではない本物の舞妓さんを見かけることもしばしば。お座敷のある夕方頃や昼下がりのお稽古に向かう舞妓さんの姿があります。そんな時は、とても素早く向かわれます。無理に写真をねだらず、雅で美しい姿を心に焼き付けましょう。

Near Hanamikoji Street is Kenninji Temple, the oldest Zen temple in Kyoto.
Photo by MACHIYA INNS & HOTELS ©️
また、祇園の南側に位置する建仁寺もスタッフのおすすめスポット。 畳108枚の大きさの小泉淳作画伯による法堂の天井画「双龍図」は息を飲む迫力。数々のアートを有するお寺です。特に新緑の季節は苔と青紅葉が美しい「潮音庭」や、枯山水庭園「大雄苑」の散策もおすすめです。

「町家インズ&ホテルズ」ではご宿泊の方向けに「朝の衹園散策ツアー」を行なっています。地元在住のガイドさんが、地元ならではのガイドブックには載らない祇園の裏側をご紹介いたします。
https://www.kyoto-machiya-inn.com/jp/gion-tour/


9. 嵐山 (竹林の小径)

There are over tens of thousands of bamboo in the area, some standing more than 10m tall.

平安京があった頃から貴族たちの別荘地だった「嵐山」。春の桜、秋の紅葉の景観でも有名です。CMなどでも使用される「竹林の小径」は嵐山を代表する観光スポット。背の高い竹やぶの中は、暑い夏でも涼しげな趣が漂います。
そんな「竹林の小径」の入り口の「野宮神社」も是非立ち寄ってみてください。平安時代、伊勢神宮に仕える斎王が身を清めた場所として伝えられ、「源氏物語」にも登場します。「縁結び」「子授け・安産」の神様として、女性に人気の神社。珍しい黒木でできた鳥居や小柴垣が趣たっぷりです。

地元スタッフのおすすめポイント
京都の中心から嵐山へはバス、JR、阪急電車と様々なアクセス方法があります。
中でもスタッフがおすすめしたいのは「嵐電」と呼ばれる「京福電気鉄道」。京都市街を走る路面電車で、どこか懐かしい雰囲気が漂います。「蚕ノ社(かいこのやしろ)」「帷子ノ辻(かたびらのつじ)」などの珍しい駅名や、京都のローカルな街並みを背景に嵐電の走る様子も楽しめますよ。
Photo by 左:Pop-sanさん / 右:Kissyさん

京都の魅力、底力を感じられるスポットはまだまだたくさんあります。
この他にもご紹介しきれていないスポットが多数ございますので、今後も少しずつご紹介していきたいと思います。お楽しみに!

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