こんにちは、THE MACHIYA EBISUYAスタッフの鈴木です。
しんしんと古都の景色を厳かに包む、冬の日の雪。京都の雪を語る上で欠かせないのが、平安時代から受け継がれてきた美意識です。
『枕草子』には、清少納言が中宮定子から「香炉峰の雪はいかならむ」と問われ、言葉ではなく御簾を高く上げて庭の雪景色を示したという逸話が記されています。説明を尽くすのではなく、そっと情景を差し出す。その奥ゆかしさに、京の美の本質が宿っています。
また「雪月花」と称されるように、雪は花や月と並ぶ風雅の象徴として愛されてきました。音を吸い込むように降り積もる雪は、街の喧騒をやわらかく包み込み、一瞬にして静寂へと導きます。とくに、金閣寺や清水寺、八坂の塔などは白に染まり、この季節だけの凛とした佇まいを見せてくれます。朱や金の彩りも雪に映え、普段とは異なる静かな気配が境内を満たします。
当ホテルの庭園も雪化粧に包まれ、まるで水墨画のような静謐な表情を見せてくれます。木々の枝先や石畳にそっと重なる白は、時の流れさえ緩やかに感じさせてくれます。「寒の雪は豊年のしるし」とも言われます。京都らしい温かな湯豆腐や蒸し寿司の味わいとともに、今この瞬間だけの雪景色をごゆっくりお楽しみください。